AirDropはワイヤレスでデータを転送することが出来るもので、Mac OS X LionとiOS7の時に導入されたものである。
この機能はiPhone, iPad, iPod touchまたはMacなどのデバイスでBluetooth 4.0とWi-Fiの両方を有効にしておくことで動作し、ワイヤレスで連絡先や写真の他ほとんどのデータを転送することができる。
しかし、OSをアップデートしたり、デバイスを変更した時にAirDropが動作しなくなったという問題がまれに発生しているようだ。ユーザーによって原因はそれぞれ違うが、故障を疑う前にいくつかの項目を見なおしてみると、意外とあっさりと解決することがある。
ここでは、AirDropが動作しなくなった時に見直すべきいくつかの項目を紹介する。
もくじ
- 1. AirDropを手動で有効にする必要がある
- 2. Wi-FiとBluetoothがオンになっているかどうか
- 3. デバイスが範囲内にあるかどうか
- 4. 受信側のデバイスの画面がオンになっているかどうか
- 5. 機内モードがオフになっているかどうか
- 6. おやすみモードがオフになっているかを確認
- 7. インターネット共有がオフになっているかを確認
- 8. AirDropの検出可能な相手を再確認
- 9. 両方のデバイスでiCloudにサインイン
- 10. AirDropをサポートしているアプリかどうか
- 11. 異なる種類のファイル転送
- 12. 古いMacを利用している場合
- 13. Macで「外部からの接続をすべてブロック」を無効に
- 14. iPhoneやMacの名前に注意
- 15. コントロールセンターにAirDropが表示されない場合
- 16. ネットワーク設定をリセット
- 17. MacのBluetoothをリセット
- 18. 18. AirDropがサポートされているデバイスかどうか
- 19. それでも解決しない場合…
- 20. 変更履歴
AirDropを手動で有効にする必要がある
AirDropはiOSデバイス、Mac共に手動で有効にする必要がある。
Macの場合はFinderから。iPhone, iPad, iPod touchの場合はコントロールセンターから有効にできる。
コンテンツを共有する相手を指定するために以下の3通りから選択することができる。
- オフ(なし) ・・・ 誰も自分のデバイスを検出することが出来ない状態になる。しかし自分から他のデバイスにAirDropで転送することはできる。
- 連絡先のみ ・・・ 自分が連絡先に登録している相手のみ、自分のデバイスを検出できる状態になる。この場合は両方のデバイスでiCloudにサインインする必要があり、メールアドレスまたは電話番号が連絡先アプリに登録されている必要がある。
- すべての人 ・・・ 近くにある全てのデバイスから自分のデバイスを検出できる状態になる。ほとんどの場合はこのオプションの選択が推奨される。
iOSの場合
iPhoneの場合、画面の下から上へスワイプし、コントロールセンターを表示させる。
AirDropをタップし、上記の3通りのいずれかを選択することで検出できる相手を制限することが出来る。
もしAirDropが動作しないと思った場合は、このオプションを「すべての人」に変更して試してみよう。
Macの場合
OS Xの場合、FinderのサイドバーからAirDropを選択、または「Command+Shift+R」を押し、AirDropを表示させることができる。
AirDrop画面にある「このMacを検出可能な相手:」をクリックして、上記の3通りのいずれかを選択することで検出できる相手を制限することが出来る。
もしサイドバーが表示されていない場合は「Command+Option+S」キーでサイドバーを表示させることができる。
参考:Apple
Wi-FiとBluetoothがオンになっているかどうか
AirDropは近くにデバイスがあるかどうかを検出するためにBluetoothを必要とする。そしてデータ転送を行うためにWiFiの機能が必要となる。(例外として、2012年より前のMacの場合はWiFiのみ)一度プレゼンス情報が確立すると、データ転送はWiFi機能で送信することができる。
もしWiFiがオンで、Bluetoothがオフになっている場合、またはその逆である場合AirDropは動作しない。
通常であれば、自動的にWiFiやBluetoothはAirDrop使用時に自動的にオンに切り替わるようになっているが、切り替わっていない場合は手動で有効すると解決するかもしれない。
iOSの場合
iPhoneやiPad, iPod touchの場合は、共有しようとした時にWi-FiやBluetoothが無効になっていた場合、
「AirDrop経由で共有する場合は、タップしてWi-FiやBluetoothをオンにしてください。」
というメッセージが表示され、AirDropボタンをタップするだけでWiFiとBluetoothの両方を簡単に有効にできる。
Macの場合
Macの場合、AirDrop画面(Command+Shift+R)にはWiFiまたはBluetooth(またはその両方)が無効になっている場合は、すぐに有効にすることができるボタンが表示される。そのため手動でメニューバーからWiFiやBluetoothを有効にする必要はない。
iPhoneであれば画像を共有する時に共有シートから直接をWiFiまたはBluetoothを有効にすることができるが、Macの場合はそれができず、AirDrop画面を手動で開いてから有効にする必要があるようだ。
デバイスが範囲内にあるかどうか
AirDropを使用するためには距離も確認して置く必要がある。Bluetoothを使って検出をするため、デバイス間の距離が30フィート(9メートル)以内である必要がある。可能であればできるだけデバイス同士を近づけると良いだろう。
また、WiFiやBluetoothの両方は、通信を妨げる要因として、電子レンジやいくつかのワイヤレス機器、コンクリートや金属を含む壁などがある。
参考:Apple
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受信側のデバイスの画面がオンになっているかどうか
AirDropの受信側デバイスがiOSデバイスの場合、画面がスリープになっている場合は検出しないため、スリープを解除しておく必要がある。
Macの場合は、コンピュータ自体がスリープモードに入らないかぎりAirDropは動作するようになっている。AirDropの共有リクエストはiOSデバイスの場合はロック画面上に通知として表示される。スワイプすることで受け入れることが出来る。また、AirDropの通知はディスプレイがスリープ状態であったとしてもログイン画面に通知される。
機内モードがオフになっているかどうか
iOSデバイスの機内モードが有効になっている場合は、WiFiが無効になってしまう。はじめに述べたとおりAirDropはBluetoothとWiFiの両方が有効になっている必要がある。
機内モードを終了させるには、画面上の下部から上にスワイプしてコントロールセンターを表示させ、機内モードアイコンをタップして解除することができる。または設定アプリから直接機内モードをオフにすることも出来る。
おやすみモードがオフになっているかを確認
おやすみモードになっている場合はAirDropを使用することはできるが、おやすみモードが有効になっている場合はアラートを抑制するようになる。
その為、AirDropを使用する時はこれを解除する必要がある。MacとiPhoneの両方で設定する必要がある。
また、おやすみモードの時間帯設定をしているユーザーは、おやすみモードが有効になっている時間はAirDropが使用できなくなるため、手動で解除する必要がある。
iOSの場合
iPhone, iPad, iPod touchの場合は、ディスプレイの下から上へスワイプしコントロールセンターを表示させる。コントロールセンターにある月のマークをタップして無効に設定することが出来る。
また、おやすみモードの時間指定の設定をしている場合は「設定>おやすみモード」から変更することが出来る。
Macの場合
Macの場合は通知センター内の一番上に表示されているおやすみモードのスイッチでオンとオフを切り替えることが出来る。また、「alt/option」を押しながら通知センターアイコンをクリックすると簡単に切り替えることが出来る。
Macでおやすみモードの時間指定の設定をしている場合は「システム環境設定>通知>おやすみモード」から時間の変更も行える。
インターネット共有がオフになっているかを確認
AirDropを使用するには、WiFiが必要となるためインターネット共有がオフにしておかなければならない。インターネット共有がオンになっていると、単純にエラーとして表示されることもあるが、表示されない場合もあるので確認が必要。
iOSの場合
iOSの場合でインターネット共有の機能をオフにするには、「設定>インターネット共有」からオンとオフを切り替えることが出来る。
Macの場合
Macでインターネット共有の機能をオフにするには、メニューバーにあるWiFiアイコンをクリックし、インターネット共有の下にある「接続を解除」をクリックする。
AirDropの検出可能な相手を再確認
AirDropは検出可能な相手を3通りから選択することができるが、「連絡先のみ」に設定している場合は、全員とAirDropで転送することができず、連絡先に登録されているユーザーとだけ転送することが出来る。
もし「連絡先のみ」のモードに設定している場合、送信者が認識されるためには受信側のデバイスの連絡先にApple IDで関連付けられているメールアドレスや電話番号が保存されている必要がある。
どのアドレスまたは電話番号がApple IDに関連付けられているかわからない場合は、「appleid.apple.com」にブラウザ上からアクセスすると確認できる。
少なくとも1つ以上のメールアドレスまたは電話番号が受信側のデバイスの連絡先アプリに保存されている必要がある。
両方のデバイスでiCloudにサインイン
AirDropの検出可能な相手を「連絡先のみ」にして利用する場合は、両方のデバイスの設定からiCloudにサインインしておく必要がある。
また、受信側デバイスの連絡先アプリに、Apple IDで関連付けられているメールアドレスまたは電話番号が保存されている必要がある。
iOSの場合
iPhoneやiPad, iPod touchの場合「設定>iCloud」でApple IDとパスワードを入力してiCloudにサインインすることができる。
Macの場合
Macの場合「システム環境設定>iCloud」をクリックしApple IDとパスワードを入力してiCloudにサインインする。
参考:Apple
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AirDropをサポートしているアプリかどうか
サードパーティ製のアプリの大半はシステム全体の共有メニューからAirDropへのアクセスが可能であるが、そうでないアプリも存在する。
もしサードパーティ製のアプリから共有したい物がある場合は、そのアプリがAirDropをサポートしているかどうかをApp Storeまたは開発者に連絡をとって確認する必要がある。
また、一部のアプリには著作権上の理由から意図的にAirDropを無効にしているアプリも存在する。
異なる種類のファイル転送
MacからiOSデバイスに複数の種類のファイルを転送しようとすると
AirDrop転送が失敗しました
これらのすべての項目を同時に受信できません。
と表示される。AirDropで転送する時は同じタイプのファイルのみ複数転送することができるようだ。
例えば、MacからiPhoneにAirDropで複数の種類のファイル(画像・文書)を転送すると上記のようなエラーが表示されるはずだ。
つまり複数転送したい場合は、複数の画像のみ、それらが転送し終わった後に複数の文書のみを送信するとうまく転送できる。
古いMacを利用している場合
Mac同士の転送を行う際、受信側がMacの2012年よりも古いモデルである場合は、送信側のMacのAirDropウィンドウ(Command+Shift+R)の「お探しの相手が表示されませんか?」の部分をクリックし「古い機種のMacを検索」をクリックする必要がある。
すると古いタイプのMacも検索してくれるようになる。
Macで「外部からの接続をすべてブロック」を無効に
Macではファイアウォールオプションの「外部からの接続を全てブロック」オプションが選択されていると、AirDropで受信できなくなる。もしこのオプションが有効になっていたら、AirDropを使用する時にはチェックを外しておこう。
「システム環境設定>セキュリティとプライバシー>ファイアウォールオプション」で「外部からの接続を全てブロック」のチェックを外しておく。また、変更する際は左下の鍵アイコンをクリックして解除してから行う。
iPhoneやMacの名前に注意
いくつかの報告によると、iPhoneやMacの名前に特殊文字を使用している場合は、検出できないことがあるようだ。
具体的には「*, $, #, %
」というような文字が名前に入っていると検出できないケースがある。
iOSの場合
iOSの場合は「設定>一般>情報>名前」から変更できる。
Macの場合
Macの場合、コンピュータ名を変更するには「システム環境設定>共有」で変更することができる。
また必要に応じて「編集」をクリックしてWi-Fiネットワーク名も変更することもできる。
ネットワーク名が反映されていない場合は再起動を行う。
コントロールセンターにAirDropが表示されない場合
iOSデバイスのコントロールセンターにAirDrop自体が表示されていない場合は機能制限されている可能性がある。
機能制限を解除するには、「設定>一般>機能制限」で変更することができる。ロック解除などのパスコードとは別に機能制限専用のパスコードを入力する必要がある。
ネットワーク設定をリセット
AirDropはBluetoothとWi-Fiを使用するので、これらの両方はネットワーク設定の一部である。そのためiOSデバイスではネットワーク設定をリセットすることで解決することがある。
ネットワーク設定をリセットするには「設定>一般>リセット>ネットワーク設定をリセット」をタップする。
MacのBluetoothをリセット
MacのBluetoothが原因であることがある。情報によるとBluetoothのplistファイルを削除することで解決した例もあるようだ。
- MacのBluetoothをオフにする。
- 以下のファイルを削除する。
`/Library/Preferences/com.apple.Bluetooth.plist` - PCを再起動してBluetoothを有効にする
18. AirDropがサポートされているデバイスかどうか
AirDropを機能させるためには、使用しているデバイスが新しいWi-FiとBluetoothのチップセットを搭載している必要がある。
iOSデバイスの場合
iOS7以降を搭載した以下のデバイスがAirDropに対応している。
- iPhone 5 以降
- iPad Pro
- iPad (第 4 世代) 以降
- iPad mini 以降
- iPod touch (第 5 世代) 以降
また、単純にiOSデバイスのコントロールセンターを表示させ、AirDropが表示されているのであれば対応していると考えて良いだろう。
参考:Apple
Macの場合
OS X Yosemite以降を搭載している2012年以降のMacが必要。Mac Pro (Mid 2012)は除く。
- MacBook Pro (Late 2008) 以降、MacBook Pro (17-inch, Late 2008) は除く
- MacBook Air (Late 2010) 以降
- MacBook (Late 2008) 以降、MacBook (Late 2008) ホワイトは除く
- iMac (Early 2009) 以降
- Mac Mini (Mid 2010) 以降
- Mac Pro (Early 2009 with AirMac Extreme card) または Mac Pro (Mid 2010)
また、単純にMacのFinderの移動メニューにAirDropが表示されているのであれば対応していると考えて良いだろう。
参考:Apple
それでも解決しない場合…
これまでに紹介した方法で解決しなかった場合は、念のため以下のことを試してみる。
- サインインしているiCloudを一度サインアウトし、再度サインインする。
- Macを再起動、またはiOSデバイスのスリープボタンとホームボタンを長押しして強制的に再起動する。
- Wi-Fiのルーターを再起動する。
- Wi-Fiを一度無効にし、再度有効にする。その後Bluetoothも無効にした後有効にする。
- iOSデバイスで機内モードにし30秒間待機後、機内モードを解除する。
- iOSまたはOS Xをアップデートする。
- iOSまたはOS Xを再インストールする。
参考:iDB
変更履歴
- 2017/03/21 – 目次とスポンサーリンクの位置を調整
- 2017/06/28 – 一部iOS9の画像をiOS10の画像に変更
- 週間Tweaks:ステータスバーの時刻をダブルタップで日付に切り替え「DateTap」など - 2018/02/12
- 週間Tweaks:iPhoneXでスワイプアップでロック「SwipeUpLockX」やドックをカスタマイズ「Marina」など - 2018/02/05
- 週間Tweaks:iPhoneXのアプリスイッチャーでスワイプでアプリ終了「EasySwitcherX」など - 2018/01/29