追記:バージョン1.0でiOS9に対応。(2015/12/09)
iPhoneを使用しているユーザーでAndroidを体験したいと思う方にはとてもよいものかもしれない。
Cydiaから新しく登場したAndriosではiOSデバイス内にAndroidのナビゲーションバーや検索ウィジェットや電源メニューなど様々なAndroidで便利な機能を再現できる。現在リリースされたばかりで少し動作が不安定ではあるが多くのユーザーから注目を浴びている。
Andrios
Andriosをインストールすると、iOSデバイス上でAndroidで役立ついくつかの機能(Action Bar, AlternateNC, Miniplayer Widget, Power Menu, Search Widget, Switches Widget, Volume Slider)を再現できる。
iPhoneを脱獄しているユーザーのほとんどはiPhoneの操作になれているが、AndroidユーザーがiPhoneを操作するのに役立つTweakなのは間違いないだろう。
主な特徴
Andriosでは主に以下のような特徴がある。
- Action Bar ・・・ 画面下部に配置されるナビゲーションバー
- AlternateNC ・・・ 一括通知クリア機能がある通知センター
- Miniplayer Widget ・・・ 音楽操作できるミニプレイヤー
- Power Menu ・・・ リスプリングや再起動などの電源メニュー
- Search Widget ・・・ ホーム画面上にGoogle検索ウィジェット
- Switches Widget ・・・ WiFiやBluetoothなどのスイッチウィジェト
- Volume Slider ・・・ スライドバーでボリューム操作
- Extras ・・・ その他アニメーションや色の変更など
また、AlternateNCとVolume Slider以外はすべてActivator経由で起動させることができる。
1. Action Bar
まずは一番頻繁に使うであろうAction Bar。これはAndroidのナビゲーションバーの役割である。このバー1つで様々な機能が備わっており、とても使いやすいものになる。
Activatorで起動させることができ、Activatorを使用せず常時表示させることも出来る。これらは設定アプリ内で変更が可能になっている。その他Action BarのデザインをLollipopスタイルとKitKatスタイルから選択できる。
「◁」ボタン
左向きの三角のボタンは「戻る」を意味する。1つ前に起動させていたアプリを再度起動させることが出来る。ホーム画面上で押すと最後に起動させたアプリが起動するようになっている。
「◯」ボタン
中央にある丸いボタンはiOSデバイスでいう「ホームボタン」の役割となっている。ホームボタンの役割ということもありダブルタップでスイッチャーが起動し、長押しでSiriが起動するようになっている。
「□」ボタン
右にある四角のボタンは「アプリスイッチャー」ボタンとなっている。タップするとスイッチャーが起動するが長押しすると全てのマルチタスクのアプリを終了させる機能も備わっている。
KitKat StyleとLollipop Style
Action Barには2種類のデザインが選択でき、Android 4.4でのKitKatスタイルとAndroid 5.0でのLollipopスタイルから選択できるようになっている。
ボタンのデザインが変わっているが使い方は同じのようだ。
2. AlternateNC
AlternateNCはiOSでいう通知センターの役割である。しかしAlternateNCにはiOSの通知センターにはない一括で通知を削除する機能やWi-FiやBluetoothのオンオフなどのスイッチトグル、さらに連絡先アプリやバッテリー、設定アプリへとすぐにアクセスできるボタンが設置されている。
今日タブ・通知タブ・スイッチビュー
いつものように通知センターを表示させるように上から下へとスワイプすると通知タブの上に日時が表示されているウィンドウが現れる。(ここでは日時ウィンドウとする)
この日時ウィンドウをさらに下にスワイプすると様々なトグルが設置されているスイッチビューが表示される。このスイッチでWiFiやBluetoothなど多くの設定を行える。スイッチビューは再度上にスワイプすると非表示にできる。
通知センターに表示されている各通知はそれぞれ左にスワイプすることでクリアすることができ、右にスワイプすると。通知タブから今日タブに移動することができる。
日時ウィンドウから設定や連絡先へ簡単アクセス
AlternateNCの日時ウィンドウには左には今日の日付が表示されており、右上にはバッテリーアイコンと歯車アイコン、そして人の形をしたパーソナルアイコンが表示されている。これらのアイコンをタップするとそれぞれの設定やアプリが起動するようになっている。
- バッテリーアイコンをタップすると設定 > 一般 > 使用状況にジャンプ
- 歯車アイコンをタップすると設定アプリを起動
- パーソナルアイコンをタップすると連絡先アプリが起動
KitKat StyleとLollipop Styleと全クリアボタン
AlternateNCにもKitKatスタイルとLollipopスタイルを選択できるようになっている。各通知は左にスワイプすることで個別にクリアすることができるが、右下に3本ラインのアイコンが表示されており、これをタップするだけで通知の全てをクリアしてくれる便利なものである。
このKitKatスタイルやLollipopスタイルも設定アプリを通じて変更を行うことができる。
スイッチビューのラベルをタップで詳細設定
スイッチビューには明るさを調整するスライドバーの下にはWiFiやBluetoothのトグルスイッチが表示されている。これらをタップするだけでオンとオフを切り替えることが出来る。(アイコンが白であればオンになっている状態。)
さらに画像をご覧いただくとわかるようにアイコンの下のラベルをタップすると各設定画面が表示されて詳細設定を簡単に行なうことが出来る。例えば右下のRingerアイコンの下の文字の「Ringer」をタップすると設定アプリ内のサウンドセクションへとジャンプし、詳細設定を行えるわ。
こういった機能はiOSではなかったので非常に便利である。
3. Miniplayer Widget
音楽再生プレイヤー、コントローラーとして役立つMiniplayer WidgetもActivatorもしくは設定から常時表示させることが出来る。
ウィジェットには一番左にアルバムアートワークが表示され、その右には上段に曲名、下段にはアーティスト名が表示される。さらに右には再生や停止、次の曲や前の曲の操作が行える。
タップ&ドラッグでどこへでも配置
このウィジェットは画面上のどこへでもタップ&ドラッグで移動させることが出来る。「x」ボタンもしくはActivatorでいつでも非表示にすることができる。
音楽の開始と停止で自動で表示/非表示
起動方法では上記のようにActivatorもしくは常時表示させることができるが、音楽再生と同時に自動で表示、音楽停止と同時に自動で非表示にさせるというオプションもついており、それぞれ設定アプリを介して有効無効を切り替えることが出来る。
ダブルタップで右へ表示、再度ダブルタップで元の場所へ
ウィジェット上のどこでも良いのでダブルタップしてみると右の方へ移動し、小さく表示される。非常に小さく表示されるので視野を妨げることなくiOSデバイスを使用し続けることが出来る。
長押しで中央へ
ウィジェットを長押しすると画面の中央へ寄せて表示してくれる。
アルバムアートワークをタップでミュージックアプリ
ウィジェット内の一番左に表示されるアルバムアートワークをタップするとミュージックアプリが起動される仕組みになっている。
4. Power Menu
Power Menuはそのまま、電源メニューの役割であり再起動やリスプリング、機内モード、そして3種のモードの変更を行なうことが出来る。このメニューはActivatorで起動させる他に、標準の電源オフ操作(スリープ長押し)で表示させることが出来る。
Power Menuウィンドウはウィンドウ外をタップすると閉じることが出来る。
Power Menuウィンドウ外を左右にスワイプ
Power Menuのウィンドウ上ではなく外側を左右にスワイプするとPower OffとAirplane mode以外に「Respring(リスプリング)」「Reboot(再起動)」を表示させることが出来る。
3種のモード
Power Menuの下部には3つのアイコンが表示されており、左から順にサイレントモード、バイブレーションモード、サウンドモードとなっている。
- サイレントモードでは着信音やバイブをオフにし、ボリュームも最小に変更される。
- バイブレーションモードではバイブのみ再生されるモードである。
- サウンドモードでは着信音とバイブの両方が再生されるモードである。
KitKat StyleとLollipop StyleとMinimal Power Menu
Power MenuもAction BarやAlternateNCと同じようにKitKatスタイルとLollipopスタイルを選択できる。
その他、設定アプリからMinimal Power Menuという小さく表示するオプションが用意されている。画像の下の段が小さく表示したものである。
5. Search Widget
Search Widgetはホーム画面上にGoogle検索ウィジェットを設置できる機能である。検索したいワードを入力してホーム画面上のウィジェットですぐに検索を行なうことが出来る。
このSearch WidgetはActivator経由で呼び出すかホーム画面上に固定させることが出来る。
Googleアイコン長押しで中央寄せ
ウィジェットの左端にあるGoogleの文字を長押しすることでウィジェット全体を中央に寄せることが出来る。
KitKat StyleとLollipop StyleとMinimal Power Menu
Search WidgetもKitkatスタイルとLollipopスタイルを選択できる。KitKatスタイルは少し透き通ったデザインになっている。
検索結果ウィジェットのサイズ変更
検索フィールドに入力し検索を行うと検索結果が小さなウィジェットで表示される。このウィジェットは自由に位置を変更することができ、サイズも調整可能となっている。
サイズの調整を行なうにはウィジェットの枠をタップすると小さな丸が枠に表示されるのでその丸をスライドして調整する。調整が終わったら再度枠をタップして調整を終了させる。
検索結果ウィジェットのツールバー
検索結果のウィジェットの下部にはツールバーが表示されており左から「戻る」「進む」「ホームへ戻る」「Safariで開く」「閉じる」の順で表示されている。
マイクアイコンタップでSiriに応答させる
この検索ウィジェットではテキスト検索以外にもSiriに応答させる機能があり、テキストフィールドに文字が入力されている状態で右にあるマイクアイコンをタップするとSiriが起動して応答してくれる。
6. Switches Widget
Switches WidgetはiOSのコントロールセンターのトグルスイッチのような役割でタップする度にオンオフを切り替えることが出来る。オフになっている状態ではアイコンがグレーになり、オンでは白いアイコンになる。
起動方法はActivatorもしくは設定を行うことでホーム画面に常時表示させることが出来る。
タップ&ドラッグでどこへでも配置
このウィジェットも自由にタップ&ドラッグで位置変更を変更できる。
長押しで中央へ
ウィジェットを長押しすると画面の中央へ寄せて表示してくれる。
5種類のスイッチ
Switcher WidgetにはWiFi, Bluetooth, 位置情報, おやすみモード, 明るさ自動調整の5つのスイッチが表示されており、オンになっているとアイコンが白く、オフになっているとアイコンはグレーになっている。
7. Volume Slider
Volume Sliderでは通常のボリューム操作時に表示されるHUDの代わりに上部にスライダーを表示させてスライドさせてボリュームを調整する機能である。
このスライダーは通常通りボリューム操作を行なうと自動で表示され、通常のHUDが消えるのと同じタイミングで非表示になる。
Volume Sliderだけで調整
Volume Sliderだけで音量を調整/表示させるには設定アプリでサウンドセクションにある「ボタンで変更」をオフにする必要がある。
KitKat StyleとLollipop Style
Volume SliderもKitkatスタイルとLollipopスタイルを変更できるので好みの方を選択することが出来る。
8. Extras
その他の機能としていくつかの設定を行うことでさまざまな変更を行える。
Lock Animation
スリープボタンを押してスリープさせるときなどにそのまま暗くなるのではなくロックアニメーションが再生されてスリープになる。
ナビバーの色を変更やステータスバーを白に
iOSシステムのナビバー、例えば設定アプリ内の上部にある色を反転させることができる。その他ステータスバーの色を白く変更することもできる。
ホーム画面長押しでスイッチャーに
ホーム画面上の何もない(アイコンやウィジェットなどがない)場所を長押しし、指を離すとスイッチャーが起動する。
日本語化
Andrios (v0.0.3-1) 日本語ファイル(MediaFire)
このTweakは英語表記となっているが、日本語にしたい場合は上記のファイルをダウンロードして解凍し、iFunboxやiFileなどのファイルマネージャで、ja.lprojフォルダを以下に配置する。
「/Library/PreferenceBundles/andriosprefs.bundle/」
配置後は設定アプリをマルチタスクから終了させて、再度設定アプリを起動すると適用されているはずだ。
日本語ファイルはTweakのバージョンが更新されると一部英語に戻ったりずれたりすることがあるので注意。日本語ファイルをiFileで配置する方法は以下のリンクを参考にしていただきたい。
追記:iBitzEdgeのリポジトリを作成しました。以下のURLをCydiaで登録し日本語ファイルをインストールして下さい。
https://i-bitzedge.com/repo/
情報・バグや互換性
Andrios (v0.0.3-1) ($3.99)
- 一部のデバイスでウィジェット長押しで中央に寄らない
- 一部のデバイスでVolume Sliderだけを表示させることができない
- 検索ウィジェットでは現在日本語検索を直接行なうことができず、検索結果ウィジェット内の検索フィールドでは日本語入力(検索)可能
- 検索ウィジェットの検索結果ウィジェット内でテキストを長押しするとクラッシュ
- SoundCloud, Spotify使用時にクラッシュ
多くのユーザーに期待と互換性の問題で心配されていたが、現在(バージョン0.0.3-1)多くのユーザーの予想通り非常に不安定なTweakである為、安定するまで待っておいたほうが良いかもしれない。
安定すればかなり使い勝手の良い物になるかもしれないので期待したいところだ。
このTweakについてどう思いますか?その他バグや互換性などの情報があれば以下のコメント欄よりお聞かせ下さい。
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