多くのユーザーが気になっているであろう先週から正式にリリースされていたMultiplexer。現在はバージョン1.0であり、やや不安定なところはあるものの、海外フォーラムなどを見る限りやはり人気のTweakである。
小さなサイズのiPhoneなど、デバイスによっては逆に使いにくいと感じるかもしれないが、iPadであれば、間違いなく便利だと感じることだろう。
※本記事は脱獄(Jailbreak)iOSデバイス向けの記事です。脱獄していないデバイスでは動作しません。脱獄や脱獄後に関しては以下のリンクを参考にして下さい。
Multiplexer
動画をご覧いただくとわかるように、かなり多くのマルチタスク操作ができることがわかる。
Multiplexerは正式リリースの前から途中段階のデモ画像などが公開されており、注目されていた。
実際にリリースされてから$3.99という価格にもかかわらず、すでに2500ダウンロード数を突破しているほどの人気だ。
主な特徴
Multiplexerは以下の6つのマルチタスク機能が備わっている。
- Aura ・・・ 5種類のバックグラウンド機能
- Empoleon ・・・ アプリをウィンドウ化
- Mission Control ・・・ デスクトップとそれに属するウィンドウを管理
- Quick Access ・・・ いつでも通知センターからアプリを呼び出し
- Reach App ・・・ 片手モードを使用して、もう一つ別のアプリを起動
- Swipe Over ・・・ 画面の右側からスワイプして別のアプリにアクセス
これまでにあったマルチタスク系のTweakを1つにまとめ、さらに強化したようなイメージである。
また、Multiplexerをインストールすると、ガイドアプリであるMultiplexer (Tutorial)がついてくる。ホーム画面上に表示されているアイコンがガイドアプリである。
このガイドアプリを確認するととてもわかり易く説明してあるので以下でガイド通りに説明する。
1. Aura
AuraはDissidentやWatchdogのようなバックグラウンドでアプリを起動させ続ける機能である。
Auraは、アプリケーションにカスタムマルチタスク/バックグラウンド化機能を設定できるようにすることを目的として設計されました。
バックグラウンド化ルールを設定する場合、グローバルまたは、特定のアプリケーションのごとの設定を行うことができます。
5つの異なるバックグラウンドモードがあります。それぞれの名前は文字通りの意味です。
あなたはすぐにアプリのバックグラウンド化モードを有効にする必要がある場合は、アクティベーターのジェスチャーを設定することができます。
Auraは様々な用途で使用でき、自由に管理できます。
例えばYouTubeの音楽をバックグラウンドで再生するにはForeceForegroundを有効にします。
2. Empoleon
Empoleonはアプリをウィンドウ化し、複数起動させることが出来る。似たようなものでは、MultifyやMirMirなどがある。
Empoleonは効率を最大限にするために、アプリケーションをウィンドウ化させることができます。
アプリケーションをウィンドウ化するには、画面の左下から上にスワイプします。
また、バーにあるいずれかのボタンを押して、閉じる、全画面表示、最小化、ロックすることができます。
ウィンドウの上部のバーをダブルタップすると、予め設定したサイズへウィンドウサイズを変更でき、ウィンドウ上部のバーを長押しすると閉じることができます。
ウィンドウバーをシングルタップすると、様々な機能を可能にするイージータップモードを起動します。
その他、Activatorのジェスチャーで簡単に現在のウィンドウを整列することもできます。
3. Mission Control
Mission ControlはEmpoleonでアクティブになっているアプリやウィンドウ、その他起動中のアプリなどの管理を行えるコントロールパネルである。
Mission ControlはEmpoleonと一緒に動作します。デスクトップとそれに属するウィンドウを管理することができます。
Mission Controlを起動するには、アプリケーションスイッチャーを有効にし、つまみを下にスワイプします。
「Desktop」セクションでは、複数のデスクトップを管理することができます。デスクトップは作成または削除することができます。そしてシングルタップで起動させることができます。
「On This Desktop」セクションでは、現在のデスクトップ上でのアプリケーションを管理することができます。
「Running Elsewhere」セクションには、現在のデスクトップの外で実行されているすべてのアプリケーションが表示されます。
「Running Elsewhere」のアプリを短時間長押し後ドラッグして、「On This Desktop」セクションに移動させることができます。
アプリカードを短時間長押し後ドラッグし、下に表示されるごみ箱アイコンにドロップするとアプリを終了させることができます。
4. Quick Access
Quick Accessは通知センターのタブを1つ増やし、そのタブにもアプリを表示させることが出来るというもの。
Quick Accessはいつでも通知センターからアプリケーションを呼び出すことができます。
Quick Accessで現在のアプリケーションを編集するには、設定アプリから新しいアプリを選択します。
5. Reach App
Reach Appは名の通り、以前にもあったReachAppと似た機能を持つ。
Reach Appは片手モードを使用して、もう一つ別のアプリを起動させることができます。
Reach Appを起動するには、片手モードを起動させます。通常ホームボタン(Touch ID)を2回タップして行うことができます。
お使いのデバイスが片手モードをサポートしていない場合は、片手モードを有効にするにはActivatorで割り当てを設定してください。
Reach Appを使用するには、アプリを選択した後、中間にあるつまみを使用して各アプリの高さを調整することができます。
6. Swipe Over
Swipe Overはディスプレイの右側から左へスワイプすると最後に使用したアプリが表示され、更にその状態で反対側のアプリまたはホーム画面をタップすると分割して表示できる機能である。
ディスプレイの右側からスワイプすると別のアプリにアクセスすることができます。
もともと起動させていたアプリ上の任意の場所をタップすると、サイドバイサイドモードを起動します。
もともと起動させていたアプリやホームス画面上の任意の場所を長押しすると、別のアプリを選択することができます。
デタッチバーをタップすると、Empoleonウィンドウにアプリを切り替えることができます。
設定
Multiplexerは機能が多いためその分かなり多くの設定項目がある。
Enabled
- Multiplexerの有効/無効の切り替え
Theme
- Multiplexerのテーマを変更できる。(Default, Dark, Windows 8)
Aura
- Enabled・・・有効/無効
- Activation Method・・・Activator設定
- Exit App After Menu・・・有効にするとActivatorで起動すると現在のアプリが終了する
- Background Mode・・・バックグラウンドーモードを選択(Native, Unlimited Backgrounding Time, Force Foreground, Kill on Exit, Suspend Immediately, smartclose)
- Icon Indicator Options・・・バックグラウンドで動作中のアイコンにマークを表示
- Status Bar Indicatior Options・・・バックグラウンドで動作中のアプリをステータスバーに表示
- Per App・・・アプリ別の設定
Empoleon
- Enabled・・・有効/無効
- Launch Into Window・・・起動時にウィンドウモード
- Always Enable Gestures・・・常にジェスチャーを有効
- Only Show Icons in Easy-Tap-Mode・・・イージータップモード時のみアイコンを表示
- Complete Animations・・・イージータップモードのアイコンタップ時のバウンスアニメーションを有効
- Snap Windows・・・ウィンドウのスナップ機能を有効
- Rotation Snapping・・・回転時のスナップ
- Show Snap Helper・・・スナップヘルパーを表示
- Lock Button Action・・・全てのアプリの回転をロック、もしくはアプリの回転をロック
- Sort Windows Activaton・・・ウィンドウ配列のActivator設定
- Easy-Tap-Mode Activation・・・イージータップモードのActivator設定
MissionControl
- Enabled・・・有効/無効
- Replace App Switcher・・・アプリスイッチャーをMissionControlへ変更
- Customization・・・MissionControlのデザインなどを変更
- Kill App・・・MissionControlでゴミ箱にドロップするとタスクを終了させる
- Secondary Activation Method・・・Activator設定
Quick Access
- Enabled・・・有効/無効
- Use Generic Tab Label・・・Quick Accessのラベルをアプリ名ではなくAppと表示
- Hide on Lock Screen・・・ロック画面では非表示
- Selected App・・・Quick Accessで表示させるアプリを選択
Reach App
- Enabled・・・有効/無効
- Show NC Instead of App・・・Reach Appの代わりに通知センターを表示
- Disable Auto-dismiss・・・片手モードが自動で閉じるのを無効
- Home Button Closes Reachability・・・ホームボタンで片手モードを閉じてもホーム画面に戻らない
- Display Widget Selector・・・有効にするとウィジェットセレクタが表示され、無効にすると最後に使用したアプリが表示される。
Swipe Over
- Enabled・・・有効/無効
- Swipe in from left…・・・Swipe Over起動場所を設定
- Always Display Grabber・・・常につまみを表示
情報・バグや互換性
Package | Multiplexer |
Version | 1.0 |
Price | $3.99 |
Author | Elijah and Andrew |
Section | Tweaks |
Repository | BigBoss |
- ステータスバーのバックグラウンド表示がタスク終了後も表示される
- 頻繁にセーフモード
- iPadでブートループ多発
現段階では色々と設定を見て確認するだけでも数回セーフモードになったことを確認した。もちろん殆どのTweakを停止した状態で。
もう少し安定してくれれば使い勝手の良い物になるかもしれないが、頻繁に使うユーザーの場合は安定するまで待ったほうがよいかもしれない。
ちなみにEmpoleonのイージータップモードにしている状態で、ウィンドウを2本指で操作することで傾きを変更することができるようだ。
このTweakについてどう思いますか?その他バグや互換性などの情報があれば以下のコメント欄よりお聞かせ下さい。
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