メッセージアプリ内のデータのキャッシュを削除してストレージを開放する

iTunesでiOSデバイスを確認すると「その他」というデータが増えてしまい悩まされているユーザーも少なくはない。その他に含まれるデータの多くはキャッシュファイルであり、さらにその多くはメッセージアプリ内にあるものであることが多いと言われている。これはメッセージアプリを通じて写真やビデオなどの添付ファイルが含まれているからである。

 

サードパーティ製のアプリなどであれば設定からある程度削除などを行えるがメッセージアプリに関しては削除することができない。

そこで設定アプリからではなく、その他のツールを使ってメッセージアプリに含まれる写真やビデオなどのキャッシュファイルを削除し「その他」を軽量化する方法を以下で紹介する。

 

脱獄デバイスの場合

脱獄デバイスであれば、以下のページの方法で比較的簡単にメッセージアプリを介して共有している写真やビデオなどの全てのメディアを削除することができる。

メッセージアプリ内のデータのキャッシュを削除してストレージを開放する(要脱獄)

 

必要なツールと事前注意

ここで紹介する手順を行なうことでストレージを開放しスペースを確保することができるが、メッセージアプリから画像やビデオなどを削除するため、メッセージアプリを開いても画像などが表示されなくなることに注意する必要がある。(iTunesやiCloud、もしくはファイルを直接バックアップしておくと元に戻すことができる。)

 

以下で説明する手順で使うものとしてiTunes以外に使用するもので「iBackupBot」がある。

iBackupBotはiTunesのバックアップの内容を表示することができたりバックアップからデータを抽出したりバックアップにデータを挿入したりできるフリートライアル付きの有料のユーティリティである。

iBackupBot以外にもいくつかのツールを使った方法で可能ではあるが、それらの中でも比較的メジャーであり、信頼性が高いと言われているiBackBotを使用して説明する。

iTunesを最新バージョンへアップデート

iTunes-update
iTunesのバージョンを確認

以下で説明する手順ではiTunesの最新バージョンが必要となる。iTunesはiOSデバイスのバックアップと復元を行うために必要となるものであり、もし最新バージョンかどうかを確認したい場合はWindowsの場合はヘルプメニューから更新プログラムの確認をし、MacであればiTunesメニューからアップデートを確認しておこう。

iBackupBotのダウンロード

download-ibackupbot
Download FREE Trial!をクリック

iBackupBotのダウンロードはこちらのリンクへアクセスし、Windows版またはMac版を選択して「Download Free trial!」をクリックしてダウンロードすることができる。

iBackupBotは無料トライアルを使用することができる。ソフトウェア自体は無料ではないがここで説明する手順では無料トライアル版で行うことができるので実質無料で可能となっている。

 

Step1. デバイスのバックアップを行う

まずはiTunesを使ってフルバックアップを行う必要がある。もしiCloudによるバックアップを行っている場合はPCにUSB接続しiTunesを起動させて「このコンピュータ」にチェックを入れておく必要がある。

バックアップは非常に大きくなる可能性があるのでWiFi経由ではなくUSB経由でのバックアップを行うことをおすすめする。

backup-use-itunes-in-this-computer
「このコンピュータ」にチェックし「今すぐバックアップ」をクリック

iPhone上のデータのサイズによっては時間がかかることもあれば早く終わることもある。「今すぐバックアップ」のボタンの下にある「最新のバックアップ」の日付が最近ではない場合はその分時間がかかる可能性が高いということになる。

 

デフォルトではバックアップしたファイルは以下の場所に保存されている。

Windows Vista/ 7 / 8

¥ユーザー¥ユーザー名¥AppData¥Roaming¥Apple Computer¥MobileSync¥Backup¥

「AppData」フォルダへのアクセスはWindowsスタートメニューの検索に「%appdata%」と入力しエンターキーを押すと素早くアクセスが可能だ。

Windows XP

¥Documents and Settings¥ユーザー名¥Application Data¥Apple Computer¥MobileSync¥Backup¥

「Application Data」フォルダへのアクセスはWindowsスタートメニューの検索に「%appdata%」と入力しエンターキーを押すと素早くアクセスが可能だ。

Mac

itunes-backup-files-location-in-mac
バックアップフォルダ(Mac)

~/ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup/

~」はユーザのホームフォルダを意味する。

iTunesのバックアップフォルダ内部では複雑な英数字の名前のフォルダが確認できる。これらがバックアップされたデータである。同じコンピュータに複数のiOSデバイスをバックアップしている場合はここにさらに複数のフォルダが追加されるということになる。

itunes-backup-files-settings
右クリックからでもFinderで表示が可能

ちなみにiTunesの環境設定(Windowsでは設定)からデバイスのタブを選択するとこれまでにとったバックアップデータのリストが表示される。項目を右クリックすることでFinderでかんたんにバックアップした場所を表示することもできる。

古いバックアップやすでに不要であると思った場合は削除したい項目を選択してバックアップを削除することもできる。

 

Step2. iBackupBotで添付ファイルを削除

iBackupBotを使用すると過去にバックアップしたものを確認でき、その中を削除したり追加したりできる便利なものである。

ここでバックアップしたデータからメッセージアプリ内にある添付ファイルを別の場所へバックアップし、その後バックアップデータから添付ファイルを削除する作業を行う。

iBackupBot-SMS-attachment-data
SMSの添付ファイル(Attachments)をバックアップして削除

添付ファイルをバックアップ

  1. iBackupBotを開く
  2. 左上のウィンドウ(Backups)から先ほどバックアップしたデータを選択し System Files > Mediadomain > Library > SMS へ進む
  3. Attachmentsフォルダを選択し上部にある「Export」でデスクトップなどに保存する。(もし後から戻したい場合はこのフォルダを同じ場所へImportする)

バックアップから添付ファイルを削除

  1. iBackupBotを開く
  2. 左上のウィンドウ(Backups)から先ほどバックアップしたデータを選択し System Files > Mediadomain > Library > SMS へ進む
  3. Attachmentsフォルダ削除

 

Step3. 添付ファイルを削除したバックアップで復元

最後にiTunesを起動させ先ほどの添付ファイルがない状態のバックアップデータを使って復元を行なう。

restore-select
添付ファイルが削除された状態のデータで復元

iOSデバイスをPCに接続し、iTunesを開く。「概要」ページで「バックアップを復元…」ボタンをクリックし、復元する予定であるバックアップファイルを選択する。ここでは結合したバックアップデータを選択する。

 

以上で手順は完了だ。

 

最後に…

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初めに書いている通り、これらの手順を行なうと上の画像のようにメッセージアプリ内の画像やビデオは表示されなくなるので注意が必要だ。(画像を再度表示させたい場合はバックアップしておいたフォルダを元に戻す)

もちろん表示されなくなるのは画像やビデオなどのファイルのみであり会話(テキスト)が消えることはない。削除したファイルが多かった場合はその分多くのストレージに空きが出るはずなので定期的に見なおしておく必要がある。

 

変更履歴

2017/03/21:記事一部修正、もくじ、広告の表示位置の変更